#業界情報です ·2025-04-21
本記事は中国の著名メディア関係者・写真家【李白兎子】より転載したものです。文中のすべての画像及び見解の著作権は原作者に帰属します。
詳しくは:https://mp.weixin.qq.com/s/Z1QqfcEfabboYhcQ4HbbYg
最速での公開を実現するため、AIを活用して翻訳を行っております。不正確な表現がございましたら、何卒ご了承ください。
前言
このレビューは誰を焦らせたのか?
本来、この記事はViltrox AF 35mm F1.2 LAB FE(以下「Viltrox 35LAB」)というレンズについて語るものだ。主にその長所・短所と使用シーンを述べ、他ブランドの35mmレンズとの比較に軽く触れる予定だった。比較をメインにしないのは、Viltroxのライバルは全て先達であり、敬意を払うべき存在で、貶すつもりはないからだ。
だが世の中にはいろいろな「先輩」がいる。
記事公開前の週末、私のXiaohongshu(小紅書)アカウントに投稿したViltrox 35LABのサンプル画像へのコメントで、「(ボケ味は)シグマ35より優れているので、今後の比較記事をお待ちください」と返信した。すると翌日、所属メディアの上司から「シグマがこのコメントを確認し、慎重な対応を要請している。今後の協力関係に影響する可能性がある」と連絡が入った。
「慎重な対応」とは面白い。
シグマからのこの種の「圧力」は初めてではない。以前、シグマfpが発売された際、実機テストで遅いフォーカス速度に失望し、記事に欠点を書けないと判断したため、WeChatの「朋友圈」に「この機種はテストしない」とだけ投稿した。良いとも悪いとも言わず、ただ「テストしない」と述べただけだ。すると翌日、上司から呼び出され「シグマがこの投稿を不愉快に感じているので削除してほしい」と言われた。
まったく同じ手口ですね?
さらに昨日朝7時過ぎ、シグマ社員と思われる未知の番号から「この件について話したい」と電話がかかり、「これは単なる些細なこと、むしろ大した事でもありません」と軽い調子で言われた。子供の送りで忙しかったため「後で」と答えると、それきり連絡はない。シグマ関係者は二度の事件で一度も直接私とコミュニケーションを取らず、所属組織の上司を通じて圧力をかけてくる。
では、これは些細な問題なのでしょうか?
個人のSNSを監視し、正当なコメントに干渉し、他ブランドのレビュー内容に影響を与えようとする。それも直接の対話ではなく、所属組織への働きかけによって。申し訳ないが、私はこれを「些細な問題」とも「Viltrox 35LABの記事中で触れなくても良いこと」とも考えていない。
これからもViltrox 35LABを主軸に記事を進めるが、他35mmレンズとの比較においてはサンプル画像を用いて客観的に述べる。シグマ35mm F1.2の歴史的意義や長所は正当に評価し、短所も率直に指摘する。
この記事の見解に対しては、賛同・疑問・議論・無視も自由だ。私も読者の意見に同意したり反論したりするかもしれない。健全な議論は大歓迎である。ただし、自らの意見を表明する権利は、あなたと私ともに断固として守るべきものだと考えている。
本題に入ります。
「撮れ足りない」と感じた稀なレンズ
数千万枚もの撮影経験を積んだ私ですが、あるレンズに出会ってからは「まだ足りない」と感じる日々。その理由は、常に「もっと上手に撮れる」「新しい表現ができる」という探求心が消えないからです。
今回の主役は中国発のViltrox AF 35mm F1.2 LAB FE。全画幅・自動絞りの35mm F1.2という規格は、(現在17,0000円)。従来はシグマ(価格16万円)とニコン(価格40万円)のみが展開していたこの規格に、ついに中国製レンズが追いつきました。
では、このレンズの実力はどのようなものなのか? 今回の「TooLFun 兎范児」で探っていきます。
How「 Fun 」is it ?
スタイリッシュさは?
「映画感」の定義
過去のレンズ記事では「光学特性→使用感」の流れが多かったのですが、今回は逆順に。正直なところ、35mmは私の本命である50mm(笑)と比べて苦手意識がありました。
このような頑固な探究心が、35mmレンズでどんな写真が撮れるのかという好奇心をかき立てました。その問いを胸に、Viltrox AF 35mm F1.2 LAB FEとの撮影の旅をスタート。当初は「旅」と称していたものの、実際には子育ての日常から出張先でのスナップ、カフェの静物写真、北京CBDの夜景ポートレートまで、生活のあらゆる場面でこのレンズを駆使すること。
冬のジャケットから、初春の淡いピンク桜へ ,幻想的な金魚市場の光景、灯りに揺らぐ儚げな夜の情景
多種多様なレンズの中にあって、ひとつ共通して感じられる点がある。
35mm F1.2のレンズで半身ポートレートを撮影する際、自然と「映画感」が生まれるということだ。
「この表現力、本当に好きだな」と思いながら、
「なぜこんなに惹かれるのか? なぜ『映画感』が出せるのか?」
自問自答を重ねていくうちに、Viltrox AF 35mm F1.2 LABの魅力、そして35mm F1.2という規格の本質に気付いていった。
35mmは50mmや85mmよりも広く、人間の両眼視野に近い。これがもたらすのは「自然な奥行き」——カメラを通した世界が、日常目にする風景そのものになる。実例:子供を連れてショッピングモールに行く時の写真
21:9比率にクロップし黒枠を追加すれば、まさに映画の1シーンそのものに。
「物語性」 vs 「強引なボケ」85mmや135mmの圧倒的なボケ表現(注:表現の違いを尊重するための表現です)に対し、35mmは背景の情報を緻密に織り込みながら主役を引き立てる。これこそが「ストーリーテリング」に最適な特性。ふと思い出したのは、アメリカドラマ『ロキ』のメイキング映像で
撮影監督が語っていた言葉——「35mmはドキュメンタリーの魂を宿す」
(『ロキ』のドラマシリーズは現在のマーベル映画よりも優れているように感じます)
実際、35mmレンズは映像制作における定番ツールであり、主要な映像レンズメーカー各社が35mm定焦点レンズをラインナップしています。
35LABが「映画的表現」を実現するもう一つの要因は、環境情報を保持しつつ、F1.2の超大光束によって不要な背景要素を適度にぼかすバランスにあります。
子供の日常シーンで実際に試した例をご紹介します。
背景を歩く通行人が存在しても、F1.2のボケ効果によって主役を邪魔することはありません。
これがF1.2光束がもたらす「選択的焦点表現」であり、F1.4レンズとはやや劣り、F1.8やF2の35mmレンズではさらに難しい特性です。
ここで焦点を当てたいのが35LABのボケ特性です。F1.2レンズのボケには二つの課題が伴います:
シャープネス維持:現代レンズは焦点部の解像力を優先し過ぎる傾向があり、ボケ味が「硬い」表現になりがち
散景の質感:宮崎作品のような「柔らかいボケ」を除けば、質感のバランスが難しい
35LABの画像素材を拡大観察すると、焦点部の銃弾のようなシャープネスが確認できます。
F1.2開放時のクローズアップ表現 α7R Vボディを使用した撮影例
夕暮れ時の子供の宿題風景。画面の中心から約1/3離れた目の位置でも、まつ毛の一本一本の輪郭と肌の質感が鮮明に再現されています。
「35LABのシャープネス性能は特に心配ありません」
この優れた性能は主に以下の2点に起因します:
デュアルフローティングフォーカス機構,近接撮影時の光学的最適化により、被写体輪郭の明瞭さを最大化、全焦点域における解像力設計,無限遠距離でも銃弾のようなシャープネスを維持。
「彼が使っているのはiPhone~」という描写も、F1.2開放時のシャープネスがあってこそ成立します。現代レンズの評価基準として、実用性を重視するなら解像度の担保が最優先です。後処理の余地を残すためにも、焦点部の輪郭分離は厳密である必要があります。
ただし古典的表現を追求する「玄学レンズ」においては、解像度を意図的に抑制する選択肢も存在します。
F1.2レンズのボケ表現におけるもう一つの課題は「口径食」にあります。
これは画面中心から外れた位置、特にエッジに近い光斑(こうはん)が大きく変形する現象です。変形が顕著な場合、ボケが螺旋状になり「眩暈感(げんうんかん)」を引き起こす可能性があります。一方、変形を抑制するには通常、より大きなレンズ開口径・複雑な光学設計・大型化が求められます。
まず明言すべきは、ほぼ全ての超大光圈レンズがこの課題を抱えるという事実です。
約34万円の高価格帯ニコンZ 35mm F1.2 Sにおいても、周辺部のボケ光斑に歪みが生じる。
当メディアで過去に紹介したニコン「圆神」Z135mm Plenaのように、後群レンズに拡散・収束構造を採用し解像度を若干犠牲にすることで、超大光圏レンズの口径食を軽減する手法が有効例となります。
「Viltrox AF 35mm F1.2 LAB」の光斑制御性能検証は?
単体撮影サンプルから確認しましょう
F1.2全開時、画面中心から周辺部に向かうにつれ光斑が徐々に楕円化する傾向が見られます。ただし総合的に判断すれば、歪みの程度は許容範囲内と言えるでしょう。
しかしサンプル画像単体では説得力に欠けるため、シグマ 35mm F1.2 DG DN | Artをレンタルし光斑比較検証を実施
まずお断りしておきますと、最近の多忙さから時間的制約があり、今回のテストは室内で被写体まで0.5mという近距離に限定したボケ形状の比較にとどまっています。屋外でのボケ味の比較検証は実施できておりませんので、あらかじめご了承ください。
「テストシーンでは画面左側に配置した光斑が被写体とカメラの中間位置にあり、これを使って前景ボケの円形度を測定しました。一方、右後方斜めに連なる光斑群は、背景ボケの状態を可視化するために配置したものです。」
この0.5mという撮影距離は、35mmレンズで強いボケを得る現実的な作業距離と考えられ、この条件下で得られたボケ形状は実際の使用シーンをよく反映していると言えるでしょう。
それでは両レンズのボケ特性を、拡大テストチャートを用いて詳細に分析していきます。
まず中央部からやや外れた位置に注目すると、シグマレンズの光斑がごくわずかながら円形度で優位性を示しています(比較画像中で緑矢印が指す2つの光斑)。
しかし画面の端に近づくにつれ状況が逆転します。Viltroxは隅周辺で楕円化するものの曲率が比較的大きく保たれているのに対し、シグマは手で押しつぶした風船のような極端な扁平変形を起こしていることが分かります。
Viltroxが背景隅同様に変形量を抑制している点が特徴的です。
F1.4に絞るとViltroxの中央部光斑が円形化しシグマとの差が縮まる一方、周辺部での優位性は維持されます。
F2.0まで絞り込むと
両レンズとも光斑はほぼ丸いのですが、隅っこになると事情が変わります。シグマは端の方でちょっと持ち直すものの、一番端では変な四角っぽい形に潰れちゃってます。逆にViltroxは多少角ばる傾向あるけど、全体的に見ればシグマより自然な丸み。あくまでレンズ設計上しょうがない「縁の切り方」って感じで、シグマみたいに不自然に平べったくならないのが良いところ。
現実の撮影環境においても、両レンズのボケ光斑の挙動は前述の実験室テストと同様の傾向を示しています。
つづく
ご質問などございましたら、いつでもご連絡ください。
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